それは、そのタスクの背後に潜む「そのタスクをやる意味」です。
実行するタスクについて「いつやるのか」や「どれくらい時間がかかるのか」といった情報についてはこれまでも意識してきました。
しかし、「なぜそれをやる必要があるのか」、あるいは「それが何につながっていくのか」といった部分はそれに比べればずっと手薄だったのです。
これはそのタスクをやる決意や、実行の優先順位に関わります。
トライアングルコミュニケーションモデル(TCM)で行動を支える
トライアングルコミュニケーションモデル(TCM)とは、オルタナブロガーであり、「しごとのみらい」を運営されている竹内さん(@takewave)が考案したコミュニケーションツールです。
「思考に形を与える」―考えるのが楽しくなる新しい思考モデルTCM
まず中心に「やりたいこと」や「困っていること」を書いて丸で囲みます。ここから矢印を伸ばして思いつく言葉を丸で囲んでいきます。
マインドマップに似ていると感じるかもしれません。
マインドマップでは枝部分にキーワードを乗せていきますが、TCMの枝(矢印)に乗せるのは問いかけです。
丸の中にその答えが入ります。
矢印の向きは基本的に上か下かだけです。
矢印を上に伸ばし「そうすることで何が得られるのか?」と問いかけます。その答えを書いて、また丸で囲みます。
矢印を下に向けるときは、4W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、どうする)の問いかけや、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)に関わる問いかけをもとに伸ばしていきます。
中心に書いたテーマから下にいくほど、テーマが具体化されていきます。
上に伸びる部分は、そのテーマと自分自身との関連性です。
「そうすることで何が得られるのか」という問いかけからはじまり、矢印を上に向かって伸ばしていくと、途中で答えが抽象化されます。やがて自身の価値観に根ざした答えになるのです。
丸を書いて矢印をひっぱるだけの単純な進め方ですが、一つひとつ思考を拾っていくと思わぬ出口に行きあたることがあります。
「あ、自分は本当にこういう考えを大事にしているんだ」など、自分を再認識することもTCMを書いていればよくあることです。
これまで何かを考える時、答えはどこか「降りてくるもの」だったのです。降りてくるのを待つのは三上の教えのとおりですが、もう少し降りてきやすくしたいのです。
問いかけを考えることは、降りてくるのを待っている間にもできることです。
はやく降りてこいと乞い願うよりも、問いかけを考える方がずっとコントロールしやすいのです。
問いかけに集中し、それに一つひとつ答えていくことで、今やりたいことから自身の価値観の関連性まであぶり出されるのです。思考の再構築といった感じかもしれません。
たしかに「やるべきことがタスクリストに並んでいると取りかかりやすい」ことは実感しています。
しかし、そのタスクをやることが「最終的に自分の何を満たすものなのか」が分かると、がぜん「やりたく」なるのです。
けっして熱にうかされた状態で行動したいわけではありません。
実行するタスクの裏側にある自分自身の意味づけを認識することで、行動に迷いがなくなるのです。
そういった意味で、TCMは行動をたしかに支えてくれるツールなのです。