2012/02/18

TCM03 : ジャンプの前には一度かがむ

TCMを書くとき、「これから何について書くのか」を中心に書いて、まるで囲みます。
この中心のテーマには、やりたいことや困っていることを書くことが多いでしょう。

テーマを書きだす前に、ここでひと手間をかけておくと、書き始めた後の広がりが変わります。

Abyss


ここでいうひと手間とは、テーマの圧縮です。

最初に思いついたテーマ、それは「〜だから○○したい」という理由や、「いつ○○したい」といったものかもしれません。

これから下に伸ばしていくときに書く4W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どうする)や、上に伸ばすときに書きそうな理由部分を省きます。
「○○したい」や「○○に困っている」程度の長さに圧縮するのです。

これを簡単にやるには、思いついたテーマを書く前に「つまりひとことで言うと?」と問いかけます。
それでも長くなるなら、「ひとことで言うと?」を繰り返し問いかけるのです。

「テーマを圧縮すると、その後の図の広がりが変わる」のには、ひとつ理由があるように思います。
圧縮すると、中心に書いたテーマに少しばかりストレスを感じるのです。

本来、中心に書いたテーマには、その理由であったり背景があるわけです。
そもそも、ひとことで表現しきれるはずのものではないのです。

「ストレスだなんて大げさだ」と思われるかもしれません。
しかし、会話の途中で相手に遮られたり、最後まで話を聞かずに結論づけられたりすれば、同じようなストレスを感じることになります。「いや、そうではなくて」と相手に正確に伝えたくなるのです。

無理やり一言にすることで、そこには省かれたことによるストレスが生じます。そしてこれは活用できるストレスです。

ストレスは「あれもこれも話したい」という欲求に転換できます。
つまり中心に書くテーマをグッと圧縮すると、そのテーマを上下に伸ばす反動を生むのです。

ちょうど、「ジャンプの前には一度かがむように」です。


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